このページはドラマーとして、そして友人として諸田コウを支え続けたJ.J.JACK.JOE(廣川錠一)からのメッセージです。

 



告別式の日、いちばん前の席で お経を聞きながら下を向いていると、
どこからともなく一匹の小さな黒い蜘蛛が 足元までやってきてぴたりと止まった。

待ってたぜ!

諸さんとはかれこれ15年位の付きあいになるのかなぁ、 最初はただZADKIELのリハー サルをスタジオの壁に耳をくっつけて聞いていた、ただの小僧だったんだけど、縁あってかいつの間にか一緒に演るようになったね。

だけどあまりにも下手だったり、周りへ対する発言や態度云々で二度バンドをくびになっちゃった。勿論二度目ってDOOM な訳だ。
だけどどちらも、さぁ今日で最後ってぇ時に諸さんは何にも言わなかったけど、たとえようのない複雑な顔をしてたね、何を言いたかったんだい?

どういう訳かその後もいつの間にか又会うようになって、お互い好きなバンドの聞かせあいやったりして...こうゆうのいいねぇ演りたいねぇ!どうだい諸さん!?。 俺と又演りたいってはっきり言えばいいのに、「お互い片手間なスタンスでやったほうがいいよ」 なんて相変わらずの優柔不断ぶりを発揮してたっけ。

こうして知る人ぞ知るDOOM at 新宿LOFTだ。

その後も釣りをしたり、公園でバドミントンしたり、夜中にドライブしたり、俺がそれまでバカにしてやらなかったこと随分諸さんとやったけど楽しかったなぁ。今まで はバンドあっての仲だったけど、これからは友達とゆうことで...ってな。

ある日、15才の女ジミヘン、クッキーを諸さんがナンパしてきた。三度目の正直。


バンドやろうぜ!


事情あってクッキーから美奈子ちゃん(ドラミ)に換わったり、ボンクラ悟朗が入っ たり辞めたりしたけど、俺達の楽しいバンドに変りはなかったね。最近になって、かけもちを断って“えがおどらみ”だけにしたって聞いたときは本当 に嬉しかった。

諸さんっ、答えはずっと前からあったんだよ。言いたいことをちゃんと言わないからこんなに時間がかかっちゃったんだ!解ってんのかっ?

焼香を終えて席に戻ると、さっきの蜘蛛はもういなかった。

幾つかの魂がグループになっていて、時間や国を越えてキャスティングを色々変えな がら輪廻転生してゆく、って考えを信じたい。しばしの別れだ。


今回は諸田耕と親友 廣川錠一


これは、JAPANESE UNDERGROUND THRASH& HEAVY METAL MAGAZINE
"KABBALA"VOL21 99,SUMMER ISSUEの特別追悼企画
「故・諸田耕氏を偲んで」に掲載されたものです。
快く転載を許可いただきました同誌編集・発行人の杉浦氏に感謝いたします。

なお、著作権の関係で内容はご紹介できませんが、
この"KABBALA"VOL21特別追悼企画 「故・諸田耕氏を偲んで」には元DOOM/GASTANKのPAZZ氏、藤田高志氏、千葉"DIE"政己氏、UNITEDの横山明裕氏、JURASSIC JADEのHIZUMI氏、 CASBAHの羽鳥恭充氏、マネージャーの岩本桂一氏らからの追悼メッセージが掲載されています。

また、諸田さんの写真や、彼が描いたえがおドラミライブ告知チラシなどが掲載され非常に内容の濃いものになっています。

 

 

 

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